オプションのより詳細な説明は別の機会に行います。
まず、簡単にオプションについて述べます。
“オプション”をより広い概念として用いています。それは金融論や経済学の著書に書かれた金融商品や金融用語として今日では一般の人たちの間でも広く知られ理解されている“オプション”とは異なります。
“オプション”の取引は契約に基づいているので本来自由なのです。当事者間の合意に基づいてルールを決めることがからです。上場オプション(取引所に上場されている金融商品としてのオプションを「上場オプション」と言います。)は取引所が全てのルールを決めています。そして、そのようなオプションが一般的なものとして理解されているので本質的な部分が見えにくいのです。
本質的な部分は契約に基づいている仕組みだという点です。
“オプション”を紐解けばその取引形態のコアの部分は二者間の合意に基づく「スワップ取引」です。“スワップ(”swap”)とは「交換」を意味します。二者間の合意に基づく「条件」の交換です。“オプション”の実際の取引では“Sell”( 「売り」)や”Buy”(「買い」)という言葉が使われますが、「スワップ取引」では”receive”(「資金を受けること」)と”pay”(「資金の出す(払う)こと」)という言葉が用いられます。また、「売り手」と「買い手」は それぞれ”Payee”(「資金の受け手」)と”Payer”(「資金の出し手(払い手)」)です。
上述のオペレーション(取引)の内容は、数、記号、符号(プラス/マイナス)などを使って数式として表現することができます。
私は“オプション”を数学や物理学の概念として扱っています。
“オプション”に意欲的に取り組んでいる方やこれから意欲を持って取り組もうとされている方に「数学」や「物理学」と聞いて引き下がってしまわないように以下のことを繰り返し伝えておきたいと思います。
小学校で習う四則演算ができれば十分です。
より重要なことは数の本質を知りそれを追究することです。
数学(mathematics)とは、量(数)、構造、空間、変化について研究する学問を言います。
私たちが実践しているオペレーションはまさにそれです。量(数)、構造、空間、変化の全てを扱います。一方、物理学は人間の恣意的な解釈に依らない普遍的な法則があると考え、自然界の現象とその性質を、物質とその間に働く相互作用によって理解すること(力学的理解)、および物質をより基本的な要素に還元して理解すること(原子論的理解)を目的とします。